Japanese
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特集 噴門部癌の特性と外科治療
手術術式の選択
到達法をどうするか:左開胸開腹法
Operative procedure for carcinoma of the cardia of the stomach: especially on the left thracoabdominal approach
古賀 成昌
1
,
岸本 宏之
1
,
西村 興亜
1
,
前田 迪郎
1
Shigemasa KOGA
1
1鳥取大学医学部第1外科
pp.1816-1820
発行日 1979年12月20日
Published Date 1979/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207332
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はじめに
食道と胃は組織学的に扁平上皮と腺上皮とによつて明らかに境界されており,この境界部は食道胃接合部,すなわちesophagogastric junction(E-C junction)と呼ばれている.このE-C junction付近に中心を持つた癌を噴門部癌,食道胃接合部癌あるいは下部食道噴門部癌などと呼んでいる.食道胃接合部は解剖学的にも生理学的にも複雑な部位であるため,この部の癌の特異性についての問題が最近提起されるようになり,第30回胃癌研究会でも種々論議されたところである1).噴門部癌は一般に進行したものが多く,また高齢者が多いため,出来るだけ手術侵襲が少なく,安全な術式が望まれる反面,食道口側断端における癌遺残,胸腔内リンパ節郭清などのため,手術侵襲が大きくなる開胸の問題が必然的に起こつてくる.本稿では教室噴門部癌手術例の成績を中心として,開胸の適応と,われわれが通常行なつている左開胸開腹による到達法について,その大要を述べたい.
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