Japanese
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特集 噴門部癌の特性と外科治療
病理よりみた噴門部胃癌(腺癌)の特徴
Characteristics of cardiac carcinoma (adeno carcinoma), from the viewpoint of pathology
加藤 洋
1
,
菅野 晴夫
1
,
中村 恭一
1
Yoh KATOH
1
1癌研究所病理部
pp.1851-1856
発行日 1979年12月20日
Published Date 1979/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207337
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はじめに
噴門(Cardia)とは胃の入口部のことであり,噴門部(Cardiac portion)とは,通常,食道と胃の接合部を含む狭い部分を漠然と指す.従つて,噴門部癌と言えば,食道最下部および胃最上部の癌を含み,組織学的には扁平上皮癌を含みうる.しかしここでは,粘膜面より見て,食道胃接合線(E-G junction)より2cmまでの胃部分に注目し,ここに病巣の中心がある腺癌を噴門部胃癌として,その病理統計学的特徴について他領域の胃癌と比較しながら検討する.また,胃噴門腺は幽門腺と同様粘液腺であり,幽門腺領域に通常起こり易いとされる腸上皮化生は胃噴門腺領域にも起こり易い.すなわち,噴門腺領域と幽門腺領域は胃癌発生の背景がよく類似している.従つて,両領域の胃癌を組織発生の立場から比較することも大変興味あることと思われる.
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