カラーグラフ 消化管内視鏡シリーズ・5
緊急内視鏡検査—胃出血をめぐって
平塚 秀雄
1
,
長谷川 充輝
1
,
生沢 啓芳
1
1平塚胃腸病院
pp.1524-1525
発行日 1975年12月20日
Published Date 1975/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206391
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緊急内視鏡検査の意味
大量の吐血・下血を主訴とする消化管出血は重篤な状態におち入り易いため,第一線臨床医にとつては極めて迅速かつ適切な,しかももつとも積極的な医療行為が要求される疾患群の1つである.こうした緊急事態に行なわれる緊急内視鏡検査urgent endoscopyが出血源の確認に有効であることはすでにE.D.Palmerによつてvigorousdiagnostic approachという言葉で強調されている.
この緊急内視鏡検査のもつ「緊急」という要素はeme-rgencyに対する救急救命であり,生命の確保を目ざした早期治療に直結したものといえよう.したがつて単に出血早期だけではなく,さらにemergencyの状態におかれた出血源を確認し,適切な治療方針をうちたてることが緊急内視鏡検査のもつ使命といわねばならない.幸いに近年内視鏡の進歩は治療面においても種々工夫が講じられてきたが,内視鏡的止血法はこの緊急内視鏡検査の役割を一層高めたものと考える.
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