特集 炎症性腸疾患1997
主題
Ⅰ.診断
2.Crohn病
(5)小腸内視鏡検査
多田 正大
1
,
藤田 直子
1
,
森 靖夫
1
,
守屋 新
1
,
清水 誠治
2
,
菅田 信之
2
,
鹿田 潮
2
,
長島 雅子
2
,
大塚 弘友
2
1京都がん協会消化器科
2京都第一赤十字病院胃腸科
キーワード:
Crohn病
,
小腸内視鏡検査
,
EUS
,
拡大内視鏡検査
Keyword:
Crohn病
,
小腸内視鏡検査
,
EUS
,
拡大内視鏡検査
pp.351-356
発行日 1997年2月26日
Published Date 1997/2/26
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403105067
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要旨 手技上の困難さから,小腸Crohn病に対する内視鏡観察は容易ではない.筆者らはCrohn病に対する小腸内視鏡検査の目的を,①他の類縁疾患との鑑別診断,②確定診断の下されたケースに対する治療方針,治療効果判定,などとしている.小腸Crohn病の内視鏡の特徴は大腸病変と同じである.X線検査と比較すると,より小さい不整形潰瘍やアフタについては内視鏡の診断能が優れている.したがって内視鏡検査は粘膜面のわずかな炎症所見の診断,すなわち本症の初期像や炎症の増悪時の診断,炎症が消褪し瘢痕化した時期の診断に適応がある.拡大内視鏡やEUSなどの導入によって,小腸Crohn病の診断や病態の解明にも新しい機運が生まれているものの,内視鏡観察そのものが難しいため,まだX線診断を凌駕するには至っておらず,これからの進歩に期待しなければならない.
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