Japanese
English
臨床研究
原発性肝癌の治療成績—切除不能肝癌に対する門脈枝結紮例を中心として
Surgical treatment of the hepatic cancer;with special reference to portal branch ligation for unresectable cases
吉岡 一典
1
,
𠮷田 奎介
1
,
清水 武昭
1
,
金沢 信三
1
,
高野 征雄
1
,
阿部 要一
1
,
本間 憲治
1
,
武藤 輝一
1
,
伊藤 博
2
Kazunori YOSHIOKA
1
1新潟大学医学部第1外科
2富山医科薬科大学医学部外科
pp.1469-1476
発行日 1978年10月20日
Published Date 1978/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207044
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
最近における原発性肝癌の診断はAFP,肝シンチグラム,血管造影などの診断技術の進歩に伴い早期診断の可能性が増してきた.しかしこれら診断法や手術手技の進歩にもかかわらず,第11回日本肝癌研究会の追跡調査1)では切除率19.1%,腫瘍径5cm以下の細小肝癌切除例22例の報告がなされているにすぎず,必ずしも満足すべき成績ではなかつた.したがつて,数多い切除不能肝癌に対する治療に関心を払わざるを得ず,現在血行遮断術,放射線療法,抗癌剤投与などが検討されている.
教室では1968年以降,切除不能の原発性肝癌に対し姑息的療法として症例を選び門脈枝結紮を施行してきた.そこで教室における成人原発性肝癌の概要を述べ,続いて門脈枝結紮症例についてその成績を中心に報告する.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.