発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005036500
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大血管浸潤をきたした転移性肝癌例は,外科的切除が唯一の治療法となる.当科では大腸癌肝転移235例の中で15例に対し下大静脈合併切除再建を施行した.画像診断や術中診断にて正確に浸潤範囲を同定することで血行遮断法を決定し,再建法は下大静脈の切除範囲に応じて,単純縫合・自家静脈(左腎静脈)を用いたパッチ閉鎖・人工血管置換を施行した.また肝静脈再建を3例に施行した.初回肝切除における下大静脈合併切除例の5年生存率は30%であり,非合併切除36%と遜色なく,切除可能例においては積極的に外科的切除を施行すべきと考えられた.肝静脈再建は肝実質温存の必要な症例においては選択すべきオプションの一つと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004