Japanese
English
特集 乳幼児急性腹症—診断のポイントとfirst aid
X線像の読み方
X-ray diagnosis in acute abdomen in infants and children
長島 金二
1
Kinji NAGASHIMA
1
1独協医大第1外科(小児外科)
pp.633-641
発行日 1978年5月20日
Published Date 1978/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206945
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はじめに
乳幼児急性腹症を乳幼児期に腹痛,嘔吐,血便などを主訴に外来を訪れる外科的急性疾患と解して論をすすめる.だが乳幼児では年齢的に,また特殊な状況下では,痛みを訴えることが出来ないこともあるので,泣き叫んだり,泣き続けるとき,落ちつきがないとき,のたうちまわるとき,下腿を屈曲した姿勢をとるとき,あえぎ呼吸をするとき,食欲不振や拒食がみられるとき,などには腹痛の存在を考えなくてはならない.
腹痛を伴う疾患は多く,腹腔内の消化管疾患,肝胆道,膵,脾,泌尿器疾患,卵巣などばかりでなく,腹腔外の疾患(心,肺,中枢神経系,血液疾患など)にもみられる.このうちには単純X線写真所見が診断上確定的な意義を有する疾患から,他の諸検査所見(胃腸造影,注腸造影,腎盂造影,胆道造影,胸部X線写真など)とともに総合的に判断され診断される疾患まで含まれるが,単純腹部X線写真上診断の手掛りとなる所見を呈する主なる疾患は,消化管通過障害,消化管穿孔,腫瘤,結石などが主である.
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