Japanese
English
臨床報告
肺癌の腸管転移—下血を来たした多発性小腸転移の1手術治験例
A surgically treated case of multiple metastasis of lung cancer
中川 公彦
1
,
福沢 正洋
1
,
辻本 雅一
1
,
亀頭 正樹
1
,
岡田 正
1
,
佐谷 稔
1
,
正岡 昭
1
,
曲直部 寿夫
1
Kimihiko NAKAGAWA
1
1大阪大学医学部第1外科
pp.653-656
発行日 1977年5月20日
Published Date 1977/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206743
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
近年本邦においても全悪性腫瘍中に占める肺癌の数は増加して来ており1),その診断,治療,転移再発,予後に関して多くの報告が見られる.最近われわれは小腸に多発性転移を来たした肺癌患者を手術治療する機会をえた.従来より肺癌が胃腸管等の腹腔内臓器へ遠隔転移することは知られていたが,その頻度からして決して好発部位とは言えず,しかもほとんどの報告例が剖検によるものであり,今回の症例のごとく手術的に治療しえたという例はほとんど見られない.本稿では若干の文献的考察を加えて報告する.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.