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ショックにおける胸管リンパ,他
pp.1285-1287,1290
発行日 1969年9月20日
Published Date 1969/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204945
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胸管リンパは肝・腹部内臓の毛細管系から来るので,動脈,静脈より正確にその代謝を反映する.Berman(Ann.Surg.169:202,1969)はイヌで気管内挿管respiratorで動脈pO275 mmHg以上, pCO235〜45mmHgとして,右胸管リンパを無菌的にあつめるようにして,出血で血圧80→40mmHg,30分後これを再輸血した.一方大腸菌endotoxin 2 mg/kg静注でendo-toxinシヨックをつくつた.胸管リンパ流量はどちらも不定ながら増加した.対照baseline O.5cc/minだが出血では1ccに,endotoxinでは1.O〜1.5 ccに達した.リンパのpO2は動脈pO2低下と静脈pO2低下の中間を低下し,再輸血で,やはり両者の中間を元値に上昇した.脾はこれに関係ない.endotoxinの低血圧初期にはリンパpO2は不定(動脈は著明に低下),末期には予想されたように低下した.リンパpH低下は血液のそれに一致している.リンパのacid Paseはどのシヨックでも上昇,β-glucuronidaseは血清より低い.著者はシヨックでも内臓における動静脈吻合の可能性を論じている.
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