Japanese
English
手術手技
頸胸境界部食道癌に対する胃管による非開胸下食道再建術
Esophageal reconstruction by gastric tube without thoracotomy for esophageal cancer situated in the cervicothoracic border
平野 雅士
1
,
三戸 康郎
1
,
犬尾 修三
2
,
曽田 豊二
3
,
池田 公
3
,
加藤 寿彦
3
Masashi HIRANO
1
1福岡大学医学部第2外科
2国立福岡中央病院外科
3福岡大学医学部耳鼻咽喉科
pp.111-115
発行日 1977年1月20日
Published Date 1977/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206667
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はじめに
頸部食道癌切除後の食道再建に関しては現在なお普遍的な術式が確立されていない.古くは皮膚管を用いる方法や喉頭,気管を応用する方法,最近ではDelto-pectoral skin flap(D-P flap)を用いる方法や有茎あるいは遊離腸管を用いる方法などが行なわれているが,縫合不全,切除食道の長さ,経口摂取までの期間や手術操作の繁雑さなどで問題がある.秋山2)の施行した非開胸下食道抜去による下咽頭,頸部食道癌切除後,後縦隔経路による咽頭,胃吻合術は前記の問題点が少なく,手術侵襲も小さいという利点がある.われわれは頸部食道癌1例と大部分は頸部で一部胸部におよんだいわゆる頸胸境界部食道癌2例に対し,秋山の術式を参考に耳鼻科医と共同で非開胸下食道抜去,頸部食道,喉頭全摘出後,後縦隔経路による咽頭,胃管吻合術を行ない良好な成績をおさめたので報告する.
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