Japanese
English
特集 胸部食道癌の外科
頸胸境界部食道癌の外科治療
Primary pharyngogastrostomy for carcinoma of the esophagus situaded in the cervico thoracic segment
掛川 暉夫
1
,
宮川 健
1
,
酒井 忠昭
1
,
丸谷 巌
1
,
松土 昭彦
1
,
水口 芳春
1
,
中山 隆市
2
Teruo KAKEGAWA
1
1慶応義塾大学医学部外科
2平塚市民病院外科
pp.739-742
発行日 1974年6月20日
Published Date 1974/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206054
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はじめに
頸部食道癌の再建術に関してはCrerny以来種種の術式が行なわれているが,現在なお普遍的な再建術式が確立されておらず,したがつて治療成績も期待すべきものがない.特に癌腫が頸部食道より胸部食道に及んでいるような症例は,手術に際し必然的に開胸が要求され,手術侵襲が大となり従つて手術適応の決定が極めて重大となる.また具体的な問題として,この部の癌腫に対しての喉頭全剔の是非,リンパ節廓清の範囲,再建臓器の選択等に関しても幾多の問題を有している.私はこれら両域にまたがる癌腫に対し,頸胸境界部癌なる名称のもとに,これらの外科的治療に関し第70回日本外科学会に発表以来しばしば報告してきた.このような症例は食道癌の中で決して多いものではないが,食道外科に従事するものにとつては未開拓の領域であり,今後の課題の1つと思われる.従つて今回は自験例の成績をもとに問題点について述べて見たい.
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