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臨床研究
Dopamineの腎機能及び循環系に及ぼす影響—術後硬膜外麻酔患者について
The effects of dopamine on renal function and hemodynamics in postoperative patient;with continuons epidural anesthesia
須磨 久善
1
,
長崎 文彦
2
,
山口 佳晴
3
Hisayoshi SUMA
1
1虎の門病院外科
2虎の門病院循環器科
3虎の門病院麻酔科
pp.103-109
発行日 1977年1月20日
Published Date 1977/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206666
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はじめに
内因性Catecholamineの一種であるdopamineは肺,肝,腸管等,身体各組織に存在するが,その作用は特異である.心臓に対してはβ作用により,心収縮力,心拍出量を増加させ,末梢血管系(大腿動脈,頸動脈など)に対しては,投与量にも左右されるが主としてα作用による血管収縮をもたらす.しかしながら,腎および腸間膜血管床に対してはGoldberg等のいう,specificdopamine receptorを介して著明な血管拡張をもたらし,尿量増加,腎血流量および糸球体濾過値の増大,尿中ナトリウム排泄増加等をきたすことが知られるようになつた.これらの特異な作用を利用して,各種ショック,鬱血性心不全,および術中術後の乏尿等に対する臨床応用例の報告がある.今回われわれは,術後疼痛軽減の目的で持続硬膜外麻酔を施行し,血圧低下を来たした例,および術後1時問に20ml以下の乏尿例に対し,dopamineの持続点滴静注を行ない良好な結果を得たので報告する.
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