Japanese
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臨床研究
難治性唇状腸瘻の治療方針
Management of intestinal fistulas
豊島 宏
1
,
板東 隆文
1
,
太中 弘
1
Hiroshi TOYOSHIMA
1
1日赤医療センター消化器外科
pp.933-938
発行日 1976年7月20日
Published Date 1976/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206551
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はじめに
腸管粘膜が腹壁に露出した唇状腸瘻では,管状瘻と異なつて瘻孔から腸内容の大部分が漏出するため,保存的療法では治癒が期待できない1).本症は術中の腸管損傷部や,腸切除吻合部の縫合不全が原因で,単純な閉鎖術では根治はむずかしい.とくに下腹部の小腸瘻の場合は周囲に癒着した小腸の剥離,合併切除が必要で,手技上相当の困難を伴うことが多い.また上腹部にできた結腸瘻では,成因や臨床像が小腸瘻と異なる点が多く,その特徴を考慮して治療を行なう必要がある.著者らは高度の小腸瘻5例,結腸瘻4例を経験しているが,部位による特徴を対比しつつ,唇状腸瘻の治療方針,手術術式等についてわれわれの考えを述べてみたい.
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