Japanese
English
特集 外科・形成外科の連携と展望
難治性食道皮膚瘻の治療
Treatment of refractory esophagocutaneous fistula
清川 兼輔
1
,
田井 良明
1
,
井上 要二郎
1
Kensuke KIYOKAWA
1
1久留米大学医学部形成外科
キーワード:
食道皮膚瘻
,
大胸筋皮弁
,
遊離空腸
Keyword:
食道皮膚瘻
,
大胸筋皮弁
,
遊離空腸
pp.1547-1553
発行日 1998年12月20日
Published Date 1998/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407903461
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筆者らの行っている難治性食道皮膚瘻の治療法について述べる.難治性食道皮膚瘻を確実に閉鎖するためには,①瘻孔の創縁を血行の良い状態にすること,②血行の良い組織を用いて欠損部を再建することが必要である.①に対しては瘻孔部のデブリドマンを周囲の組織を含めて比較的広範囲に行った.②に対しては大胸筋皮弁または遊離空腸を用いた.その適応は再建食道内に胃液や胆汁などの消化液が逆流しない場合は大胸筋皮弁を,逆流する場合は遊離空腸を第一適応とした.また,全身状態の悪化などにより遊離空腸による一期的再建が行えない場合は,大胸筋皮弁による二期的再建を行った.
7例の治療(大胸筋皮弁による一期的再建2例,遊離空腸による一期的再建2例,大胸筋皮弁による二期的再建3例)を行った.7例中2例(大胸筋皮弁による一期的再建と二期的再建の各1例)に小瘻孔を生じたが,術後4週間以内に自然閉鎖し,全例で経口摂取が可能となった.
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