カラーグラフ 消化管内視鏡シリーズ・10
早期食道癌のパターン
遠藤 光夫
1
,
羽生 富士夫
1
,
木下 裕宏
1
,
井手 博子
1
1東京女子医大消化器病センター外科
pp.562-563
発行日 1976年5月20日
Published Date 1976/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206495
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食道の早期癌は「癌の浸潤が粘膜下層までで,リンパ節転移のないもの」と定義され,深達度が同じでもリンパ節転移のある場合,表在癌とよんで区別している.現在まで早期癌22例,この他表在癌8例を経験しているが,早期癌は同時期での食道癌切除数の3%にすぎない.
内視鏡所見で,術前深達度が粘膜下層までの表在型との予想はある程度可能であるが,早期癌か表在癌かの診断は非常にむずかしい.摘出標本での癌腫の大きさからみて,早期癌では3cm以下の小癌が22例中14例(64%)と多く,因に表在癌では8例中2例(25%),進行癌では284例中30例(11%)である.反面,6cm以上にも及ぶ表層拡大早期癌も14%にみられた.
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