カラーグラフ 癌の典型的内視鏡パターン・1
食道癌
井手 博子
1
,
遠藤 光夫
1
1東京女子医科大学消化器病センター
pp.1498-1499
発行日 1979年10月20日
Published Date 1979/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207289
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食道癌の肉眼癌型には腫瘤型,潰瘍型,粘膜下浸潤型,表在型(隆起型,平坦型,陥凹型,表層拡大型)等があげられる.しかし日常経験する症例はこれらの型がいくつか組合さつて複雑な形態を呈するものが多く,又術前照射が行なわれれば肉眼所見もかなり変化しがちである.
Ⅰ腫瘤型 aは広基性で表面平滑なポリープ状癌腫で周辺粘膜に異常を認めない.組織型は大胞巣性の低分化扁平上皮癌で腫瘍内に粘膜筋板を噴水状に巻き込んでおり深達度sm,ly v(-),n(-).bは周辺粘膜に変化を伴う腫瘤型癌腫で,中央に赤味を帯びた表面表滑な大隆起とその周辺にHa様粘膜隆起を伴つたやや低い隆起の集籏とからなつている.組織型は中央の大隆起はAdenoid cysticな所見を呈する低分化扁平上皮癌で周辺隆起は角化傾向著明な高分化扁平上皮癌よりなる.深達度mp. ly(+)v(-)n(-).腫瘤型では周辺粘膜に上皮癌の伸展を伴うことが少なくない.癌肉腫,偽肉腫はその代表的なものであるが本誌(Vol.33 No.6)に掲載したので割愛する.この他食道腫瘍で腫瘤型を呈するものに肉腫がある.cは塊状腫瘤型の黒色肉腫例である.
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