カラーグラフ
大腸隆起性病変の微細表面形態—アルシャンブルー染色と実体顕微鏡の応用
小坂 知一郎
1
,
榊原 宣
1
,
鈴木 博孝
1
,
長廻 紘
1
,
青木 暁
1
,
小林 政美
1
,
矢端 正克
1
,
中江 遵義
1
,
矢沢 知海
1
,
竹本 忠良
1
,
中山 恒明
1
1東京女子医科大学消化器病センター
pp.1473-1476
発行日 1975年11月20日
Published Date 1975/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206382
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はじめに
大腸内視鏡検査の進歩には目覚ましいものがあり,最近では病変の拡大観察,色素着色法の開発など,診断能力を向上させる努力がなされている.しかるにわれわれが拡大観察に必要とする大腸粘膜表面形態の解析はほとんどなされていない.そこで数年来,われわれは拡大装置付ファイバースコープの開発,メチレンブルー着色法の研究をすすめるとともに,その基礎的研究として,生検により得た着色粘膜組織の実体顕微鏡的観察,カラチ・ヘマトキシリン染色と実体顕微鏡を応用し,大腸微小隆起性病変の形態学的分類1)などを行なつてきた.このメチレンブルー液,カラチ・ヘマトキシリン液が粘膜表面の吸収上皮を主体に着色あるいは染色するのに対し,現在われわれは粘膜表面のGoblet cellを主体に染色するアルシャンブルー液を用い,表面形態の拡大観察を行なつている.これらの研究は,その組織学的所見の裏付けによつて病変の表面形態を解析し,さらに近い将来臨床的に応用できるものと考えている.
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