Japanese
English
臨床報告
1週間後に覚醒しえた急性眠剤中毒の1例—腹膜灌流の応用
Successful treatment of acute barbiturate overdose with peritoneal dialysis
鹿野 奉昭
1
,
本田 義信
1
,
勝屋 弘忠
1
Tomoaki KANO
1
1熊本大学医学部ICU
pp.1355-1357
発行日 1975年10月20日
Published Date 1975/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206367
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はじめに
かつて睡眠剤中毒患者の積極的治療法として,メジマイドがバルビタール拮抗剤として使用されたが,単なる中枢興奮剤にすぎないことが判明し,体内からの睡眠剤排泄を促進する方法として大量の輸液と利尿を計るより以外の方法はなかつた.近年Maxwellら1)の腹膜灌流による透析の有効性が報告されて以来その適応範囲は著しく拡大されてきた.
われわれは最近自殺の目的で大量のフェノバルビタールを服用し,昏睡に陥つた患者に腹膜灌流を施行し1週間後に覚醒しえた1例を経験し,併せて血中フェノバール濃度の測定でその有効性を確認したので若干の検討を加えて報告する.
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