Japanese
English
臨床報告
種々形態を異にした迷入膵の5例についで
Aberrant pancreas;report of five cases and review of the literature
遠藤 正三郎
1
,
磯本 徹
1
,
山本 康久
1
,
佐藤 方紀
1
,
小堀 迪夫
2
,
伊藤 慈秀
3
,
佐野 開三
3
Seisaburo ENDO
1
1川崎医科大学佐野外科
2川崎医科大学内科
3川崎医科大学病理
pp.1349-1354
発行日 1975年10月20日
Published Date 1975/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206366
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はじめに
迷入膵とは,膵以外の部位で本来の膵と全く無関係に膵組織,膵基質あるいは膵胚芽が見出されるものをいい,一般に胎生期における発生学上の異常により生ずると考えられている.本症は比較的稀な疾患であるが,欧米では1729年Schulze1)により最初に報告され,本邦でも1895年山極の記載以来,報告例が増加している.しかし本症の多くは,臨床診断上特異な症状に欠け,外科領域では他の疾患の開腹時,偶然に発見されることが多いが,時には複雑な症状の発現により確定診断が困難なまま,開腹手術がなされることもある.われわれは,最近18年間に本症の5例を経験したのでこれを報告し,若干の文献的考察を加える.
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