Japanese
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特集 凍結外科—Cryosurgery
進行癌に対するCryosurgeryと動脈内注入化学療法の併用療法の検討
Cryosurgery in combination with intra-arle-rial infusion chemotherapy for unrebectable solid carcinomas
三浦 健
1
,
石田 正統
1
,
灰田 公彦
2
,
灰田 茂生
2
Tsuyoshi MIURA
1
1東京大学医学部第2外科
2半蔵門病院外科
pp.1244-1254
発行日 1975年10月20日
Published Date 1975/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206349
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はじめに
切除不能の各種進行癌に対する冷凍手術の応用性を検討するために,著者らは5年前より,犬の各組織に液体窒素(−196℃)のfreezing injuryを加えた場合の反応を研究して来た19-22).特に実質性の臓器ばかりでなく,管腔性の臓器に凍結壊死が起こつた場合の穿孔や出血の問題を調べ,冷凍手術の効果と安全性について実験を重ねて来た.
その結果,冷凍手術は食道や腸の如き管腟性の臓器においては穿孔の危険があるけれども,直腸の如き周囲に丈夫な支持組織を有するものや実質性の臓器に対しては安全に応用できることを知つた.また冷凍手術による凍結壊死の組織破壊効果については著しいものがあることも認めた.しかしながら同時に,凍結壊死の及ぶ範囲には一応の限界があり,その深達度の点には問題があつて,われわれの日常遭遇する広範な,深達度の深い切除不能の進行癌の場合,冷凍手術だけでは十分な抗腫瘍効果を得ることは困難であることを知つた.
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