切り取りカード 看護ミニ事典
難病/Cryosurgery
中島 紀恵子
1
1千葉大学看護学部基礎保健学講座
pp.649-650
発行日 1977年6月1日
Published Date 1977/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918180
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難病という言葉は,‘奇病’‘不治永患’‘業病’などと同じように,昔から使われてきた言葉である.すなわち,その時代の医療・医術からさえも見放された気の毒な人,家族や社会にとっても難儀な事件,それゆえに恐ろしい,恨めしい病気といった意味内容をもった社会通念上の言葉である.医学用語で,‘難治性’(schwerheibare)あるいは漢方における‘難症’という語があるが,これは治療の場にのぼった疾患のうち効果が明らかでない疾患をさしていた.したがって難病にかかれば,患者・家族は不運な私事としてこれをあがなわなければならず,また時には逆に国民病として個人や家族をこえた強力な社会防衛対策も当然視された.
いわゆる‘難病’概念が一般化したのは,スモン問題が社会化した時点であるといわれる.難病が総論として公的に取り上げられたのは,昭和47年4月,衆議院社会労働委員会においてである.この席上,白木博次氏は,難病を次のように証言した.
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