Pros & cons
「空腸移植を併用した幽門側(BI法)広範囲胃切除術1)」を読んで—(「臨床外科」第30巻 第6号 所収,松林冨士男論文に対して)
榊原 宣
1
,
小林 政美
1
,
市川 武
1
1東京女子医大消化器病センター
pp.1002-1003
発行日 1975年8月20日
Published Date 1975/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206307
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はじめに
今日,外科領域において臓器欠損のできるだけ少ない,術後合併症,後遺症の少ない,いわゆる理想的手術を目ざして,種々の手術法が考えられ実施されている.消化器外科の分野においてもまた同様である.最近,松林冨士男博士は「空腸移植を併用した幽門側(BI法)広範囲胃切除術」なる論文1)を発表された.この手術法は瀬尾貞信教授がはじめて創案発表されたものであつて2),中山恒明教授を通して,同じシューレに学ぶわれわれにとつてまことによろこびにたえない.しかし,本手術法の採用にあたつて,松林博士のお老えといささか考えを異にする.われわれは胃全剔後にはこの手術を採用しているが,胃切除後にはこの手術法を用いていない.そこでこの手術法に対するわれわれの考え方についてのべてみたい.
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