外科医のための生理学
胃—分泌の生理
青木 照明
1
1東京慈恵会医科大学第2外科
pp.353-355
発行日 1975年3月20日
Published Date 1975/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206210
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はじめに
最近の十数年間に胃分泌生理学はめざましい進歩・発展をとげてきている.とくに消化管ホルモンとしてのガストリンが胃幽門洞部より化学的に抽出分離され,その構造式まで決定されるにおよんで,胃の内分泌生理学は飛躍的発展をとげ,それにともない直接胃の消化管としての働きを左右する外分泌,すなわち塩酸やペプシン分泌の生理機構もかなり明らかにされてきている.その結果,消化性潰瘍の外科的治療法についても,こうした生理学的理論づけを根拠として新しい治療法が開発されると共に,従来からの胃切除術その他の術式の再検討や改良も行なわれつつある.本稿では,主として,良性疾患で胃に外科的侵襲を加えねばならない場合,最少限考慮をはらう必要があると思われる分泌生理学について述べてみたい.
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