Japanese
English
臨床研究
経腹的食道粘膜離断術—肝硬変性食道静脈瘤出血の直達手術法の開発
Transabdominal mucosal transection of the esophagus
平嶋 毅
1
,
原 輝彦
1
,
佐藤 博
1
Tsuyoshi HIRASHIMA
1
1千葉大学医学部第2外科
pp.641-645
発行日 1974年5月20日
Published Date 1974/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206036
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
肝硬変性食道静脈瘤出血に対する外科的治療法は,本邦においては主として選択的減圧手術1,2)と直達手術3,4)が行なわれており,とくに最近においては後者の報告が多くみられる傾向である.直達手術のうちで食道離断術も広く行なわれるようになつてきた.
1960年Walker5)は過去15年間の食道静脈瘤出血の症例を報告し,そのさい食道離断術は1950年9月に2回の大量出血症例に初めて行なつたとしている.経胸的な食道離断術は2種類の方法に従つて行なわれている.すなわち一つはcomplete transectionとして食道前壁筋および粘膜管の横切離であり,他の一つはmucosal transectionとして食道粘膜外筋縦切開,粘膜管横切離を行なつている.しかしながらこの単純食道離断術は再発が多いとされ,欧米ではほとんど行なわれておらず,本邦において杉浦ら6)によつて経胸的にcomplete tra-nsectionにdevascularizationを加えた改良法として広く行なわれるようになりまた好成績でもある.
Copyright © 1974, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.