カラーグラフ 臨床病理シリーズ・22
絞扼性イレウスにおける絞扼腸管の術中肉眼的所見—Color Indexによる損傷度の判定(その2)
松峯 敬夫
1
1墨東病院外科
pp.8-9
発行日 1974年1月20日
Published Date 1974/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205952
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症例2(組織損傷高度例)
色調:絞扼空腸には,黒みを帯びた暗赤色(C.I.No.5に比較的近い色調)から,黒(C.I.No.7)に至るまでの,各段階の色調の部分が斑に混在している.
組織像:小腸壁全層にわたり高度の出血性壊死に陥つている.粘膜層は強い壊死の結果融解しており,所々に細菌巣ができている.血の海と化した粘膜下層には,著しく拡張し壊死に陥つた多数の血管が目につく(第7図).固有筋層もまた強い壊死に陥り,好中球による強い浸潤を受けている.漿膜下層にも強い出血と好中球浸潤とがみられる(第8図).
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