グラフ
人工心臓
阿久津 哲造
1
,
鬼頭 義次
1
,
本田 剛彦
1
,
Gibson W・Harry
1
1ミシシッピー大学外科
1Department of Surgery, Univ. of Miss. Medical Center
pp.11-16
発行日 1974年1月20日
Published Date 1974/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205953
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現在完全人工心臓という定義には両心バイパスによる両側補助循環をも含めた広義の解釈もあるが,本稿では著者のいう,"total artificial heart",すなわち両側置換完全人工心臓(total heart repl-acement system)について紹介する.
著者が1957年に初めて,完全人工心臓を犬に移植した時の生存時間はわずか90分間であつた,以後,1960年後半に至るまでの10年間は50時間を越えることが非常に難しかつた.1970年になると,ようやく各人工心臓研究グループが100時間の線に近づくことができるようになり,さらに1971年になると,一躍,著者らのグループとKo-lff教授らのグループ(ユタ大学)が仔牛を使つて1週間ないし10日の生存例を出し得るようになつた.これ以後は1週間以上の生存例を得ることは,さして難事ではなくなった.1973年になり,Kolff教授らのグループ,能勢博士らのグループ(クリーブランド・クリニック)がそれぞれ18日,17日の長期生存例を出し,さらに著者らの24日14時間(590時間)というところまで大きく延びてきたのである.
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