Japanese
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特集 外科と大腸—癌とポリープを中心に
左半結腸の癌手術法
Surgery for the cancer of the left half colon
吉雄 敏文
1
,
蔵本 新太郎
1
Toshihumi YOSHIO
1
1東邦大学第1外科
pp.83-91
発行日 1973年1月20日
Published Date 1973/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205736
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はじめに
結腸癌は欧米に比較してわが国には少ないとされてきたが,最近の報告をみると胃癌頻度はほぼ平行線を保つているのに対して,結腸癌の頻度は上昇傾向を示している.さらに以前は,わが国においては左半結腸癌より右半結腸癌が多いとされた時期があるが,部位別頻度は欧米と同様に左半結腸とくにS状結腸に高いことが明らかにされてきた.臨床外科医が今後左半結腸癌に遭遇する機会は,さらに増加すると思われるので,手術成績を向上させるような手術法はいかに行なわれるべきかを文献的考察を加えながら,手術法の実際について述べてみたい.手術成績の向上といつても,現時点ですでにわが国の結腸癌手術成績は欧米に比肩するところまできており,今後の向上の可能性は数%にすぎないであろうが,たとえ1%でも向上に努力することが外科医の努めであろう.
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