グラフ
大腸のX線診断—癌とポリープを中心に
矢沢 知海
1
,
永井 公大
1
,
鈴木 重孝
1
1東京女子医科大学消化器病センター
pp.11-17
発行日 1973年1月20日
Published Date 1973/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205729
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はじめに
食生活が欧米なみになつたことが原因かと思われるが,最近,大腸疾患は本邦に於いても増加の傾向にある.この必要に応じて診断部門も,注腸二重造影法の改良,Fibercolonoscopeの開発,さらに生検検査法などその進歩は目をみはらせるものがある.そしてこれらの検査法は一連の診断経過であるが,患者をみた際,最初は問診により症候学的に大腸疾患を予想し,直腸指診で到達できる所はこれで確診を得るが,検査としての第一歩は何といつてもX線検査より始まる訳である.
ただ,大腸は胃などに比して非常に長く複雑な走行を示す臓器であり,大腸のX線像といつても個々の症例に於て色々の型を示すとともに,重なりあつて,正常像とは何かという事さえ判断に苦しむ場合も少なくない.その上,前処置の良否がこの検査法の成否に大きく影響を及ぼしており,胃の検査に比して手間も要し,必ずしも容易なものではない.
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