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特集 皮膚切開法と到達法・Ⅰ
開頭術における皮膚切開法と到達法
Skin incision and approaching methods for the craniotony
坪川 孝志
1
Takashi TSUBOKAWA
1
1日本大学医学部脳神経外科
pp.747-759
発行日 1972年6月20日
Published Date 1972/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205617
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緒言
いかなる手術にしても,その解剖学的,生理学的特徴に相応した手術手技があるのはもちろんであるが,とくに開頭術にさいしては,その特徴を熟知し,手術計画上に十分に応用されていなければ,たんに術後の感染,血腫,創の多開,機能障害などという問題のみならず,手術を完遂することすらできないのである.したがつて,開頭術を行なう際には,術前診断においても,病巣の局在のみならず,性状を知ることが要求され,その診断された病巣の特徴をも含めて,頭皮より脳組織までの各層における解剖・生理学的な特徴をとらえたうえで,皮膚切開の部位,方法を決定し,病巣への侵入法を術前に計画しなければならないのである.
本稿では,開頭術に際してそれ程重要な解剖学的,生理学的特徴を概観し,その特徴は手術を完遂するためにどのように対処されているかを考え,次いで,この基本的事項をを考慮した開頭術に際しての皮膚切開法と侵入法について紹介したい.
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