特集 術後1週間の患者管理
開頭術
上田 聖
1
,
平川 公義
1
1京都府立医科大学脳神経外科
pp.433-437
発行日 1981年4月20日
Published Date 1981/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207642
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開頭術を施行される原疾患には多くの種類があり,術式,手術侵襲も異なる.したがつて各各に特徴的な注意点が存在するのでその全てを網羅することは不可能であるが,ここでは開頭術後の基本的問題を中心に記述しながら,簡潔にそれらの問題点にも触れたいと思う.
開頭術後数日間はICU(またはNCU)に収容し,意識レベル,神経学的徴候,vital sign,水分出納と電解質を経時的にチェックする.これにより術後発生する脳浮腫,後出血,尿崩症,電解質異常,脳血管攣縮,水頭症,過高熱,髄膜炎等を早期に予見し,確定診断すると同時にその対策に時期を失しないことが肝要である.収容される期間は通常2〜3日間であるが,患者の意識や全身の状態が悪い場合,またそれらが良好でも外ドレナージ施行中,または尿崩症で水分のコントロールが困難な場合はその期間収容する.
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