Ⅲ臨牀講義
開頭術
中村 康
1
,
KS 生
1
1日醫
pp.165-167
発行日 1948年8月20日
Published Date 1948/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410200265
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視神經の疾患は主として乳頭の觀察を以て診斷するのであるが其眞因の多くは推定に止り頭蓋内にある原因本態に對しては不明なものが尠くない。從て療法も對症療法に止り適切なる治療が講ぜられず供手失明に到る迄の經過を只觀察するに過ぎぬ場合が多いので有る。視神經疾患の本態の闡明には頭蓋骨を開き視神經を直接觀察し得るならば今迄不明であつた原因も究明され從つて豫後判定に資する處は尠くないものであろう。近來Cushing, Dandy氏の研究に依り腦外科は長足の進歩を遂げ眼科方面に於ても開頭術が專ら行はれるやうになり從つて視神經疾患に關する吾々の知識も漸く豐富になりつゝあるので有る。
本邦にては井街謙博士(倉敷)が多數施術例を報告してゐるが其他桑原安治(慶應)生井浩(九大)博士等亦其經驗を記述してゐる。吾が教室に於ても目下追試を以てゐるので本日は其一例を諸君の前に供覽しやうと思ふ。
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