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特集 胃癌根治手術の問題点
Ⅰ.胃癌の病像と切除範囲,術式の選択について
胃癌の進展度および腫瘍の占拠部位による切除術式の選択—リンパ節郭清を中心として
The choice of surgical procedures in the stomach cancer by location and extent of tumor, with respect to lymph node dissection
間島 進
1
Susumu MAJIMA
1
1京都府立医科大学第1外科教室
pp.1851-1854
発行日 1971年12月20日
Published Date 1971/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205493
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はじめに
近年における外科学ならびにその関連領域の長足の進歩により,胃切除術はきわめて安全な手術となつた.その結果,「癌に対する根治手術の原則である癌病巣のより完全な除去」を企図して,切除ならびにリンパ節郭清の範囲の拡大への努力がなされ,現在ではその極限にまできている.胃癌切除標本の検索成績あるいは胃切除後の遠隔成績ならびに再発例の検討などからは,この手術侵襲の拡大の必要性は肯定される.しかし,「手術侵襲の拡大をどの程度にするのが妥当か」ということになると,なお多くの問題が残されている.
今回,本誌の特集として「胃癌根治手術の問題点」が取上げられ,胃癌深達度とメスを加えるべき範囲の関連において,下記の3つの問題についての執筆を依頼された.これらの問題については著者らによりしばしば報告されているので,詳細は原著を参照されたい.本論文では,紙面の関係もあり,これまでの検索成績をもとに,次の問題に対する私の考えを記述するにとどめた.
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