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特集 手術とその根拠・Ⅱ
門脈圧亢進症の手術とその根拠—胃上部切除術の意義と評価を中心に
Proximal gastrectomy for cirrhotic portal hypertension
山本 貞博
1
Sadahiro YAMAMOTO
1
1名古屋大学医学部第二外科
pp.941-947
発行日 1971年6月20日
Published Date 1971/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205379
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はじめに
門脈圧亢進症は,肝臓の血流の過程になんらかの異常,つまり抵抗増大を生じ,その抵抗の原因である肝病変,あるいは抵抗増大の結果として生じた血流うつ滞,圧亢進と密接に関連して現われた病態の総括的呼称である.
うつ血性脾腫とそれに誘発された貧血,あるいは肝内うつ血の結果漏出した腹水などの徴候そのものは,古くからよく知られていたし,またそれぞれに対する対症的な管理法,手術法もくふうされてきているのであるが,これらが門脈圧亢進症における一連の症状であることが理解され,さらにとくに食道静脈瘤出血が手術療法のほかに救済の方法のない重要徴候であることが一般に認識されたのは,なお新しいことといわねばならない.
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