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特集 腫瘍の病理と臨床
論説と症例
悪性甲状腺腫106例の検討—最近10年間の成績を中心に
Studies on 106 cases of malignant struma
葛西 洋一
1
,
石塚 玲器
1
,
宮川 清彦
1
,
田中 哲
1
,
長尾 卓蔵
1
,
明石 孝幸
1
,
今村 文元
1
Yoichi KASAI
1
1北海道大学医学部第一外科教室
pp.1089-1098
発行日 1970年7月20日
Published Date 1970/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205166
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はじめに
悪性甲状腺腫(以下本文では,広義に甲状腺癌として扱う.)は他の癌と比較すると,その臨床像は異なつた点が少なくなく,癌治療における根治手術,抗癌剤,放射線などの常識も甲状腺癌にそつくり適用するには問題があるように思われる.また手術術式と予後の関係からも根治性ということは必要であるが,必ずしも全剔をする必要があるとはいい切れない.本文は以上のことに焦点を置いて,当教室における昭和34年より43年までに取り扱つた延総数113名の悪性甲状腺腫(実数106名)につき,その臨床像を多角的に検討し,かつ現時点における我々の外科治療の方針について述べたいと思う.
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