Japanese
English
特集 緊急手術適応のきめ手
腹部のいたみ
Abdominal pain
藤田 五郎
1
Goro FUJITA
1
1自衛隊中央病院外科
pp.497-502
発行日 1969年4月20日
Published Date 1969/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204826
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はじめに
身体のどの部分のいたみについても共通な問題であるけれども,とくに,腹部のいたみぐらい,その性状を詳細に分析していけばいくほど,診断を的確にするのに役だつものはない.
日々,急患を診療していて,主訴としての腹痛は数多い.初診,初療の段階において,このサインをなるべくじようずに,速やかに分析して,急いで開腹すべき疾患群であるかどうか,また,少なくとも入院が必要であると判断するかどうかの手がかりになるものについてのべてみたい.現実には,急性腹症(acute abdomen)という診断のもとに,しばらく経過を観察する症例も少なくない."腹痛"というものは,その関連している臓器があまりにも多いので,その一断面からだけ観察してその性状をつかむことがいかにむずかしいかは,たびたび経験することろである.とくに,乳・幼少児の腹痛の場合,主観的な感覚の内容を明確に把握できないために苦労することが少なくない.
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