臨床メモ
結腸・直腸癌について
間島 進
1
1京都府立医科大学第1外科学教室
pp.1176
発行日 1968年7月20日
Published Date 1968/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204649
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わが国は胃癌の発生率の高い国であるが,同じ消化器癌でも結腸・直腸癌の発生頻度は,欧米諸国のそれに比較してはるかに低率である.従つて,わが国では本症に対する一般の関心も低く,臨床面でも今後改善されねばならない多くの問題がある様に思う.私は数年前米国に留学し,この様な印象を強くうけて帰国した.その後,最近まで勤務していた東北大学槇外科教室において,この方面のことを多少調べてみたので,以下2,3の気付いたことを述べてみたいと思う.
先ず,欧米とわが国とでは結腸癌の部位別発生頻度に差がみられることである.盲腸上行結腸などの右側結腸における癌発生頻度には,わが国と欧米との間にはそれ程差はみられない.しかし,下行結腸とくにS状結腸においては癌発生頻度が,欧米に比較してわが国においてかなり低率である.
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