文献紹介
骨盤内廓清後の腸狭窄,他
pp.202,220
発行日 1963年3月10日
Published Date 1963/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202764
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頚癌照射後,骨盤を廓清すると,小腸狭窄を惹起することが仲なか多い。Washington大学10年の骨盤廓清150例では21回の小腸狭窄が発生,そのうち6例で,年150例のうち死亡15例の4割を占め,これは余程しつかり治療法を樹てなくてはならないことになる。原発巣は頚癌86例で最も多く,結直腸癌(15),体癌(10),卵巣癌(4),腟癌(5),膀胱尿道癌(3)などであつた。狭窄の程度を3度にわけると,(Ⅰ)食事中止・胃カテにて症状軽快,(Ⅱ)長い小腸チユーブ必要,(Ⅲ)手術療法必要となる。小腸チユーブは先に硬いプラスチックチユーブ(6インチ)を附し,6フィート長の軟赤ゴムチユーブ(経1/4インチ)で,先端は小腸を通じて盲腸まで入れる。入つたらプラスチックは小切開で除去し,ゴム管先端を回腸粒膜に軽く縫着。この操作を37例行なつた。この群では,Ⅱ度Ⅲ度というひどい狭窄症状が少なかつた。従つて死亡率も低い。チユーブ送入と非送入とを比較し,大体,有意の好結果をあげうる。もつと多数例でたしかめる必要はあろう。
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