手術手技
慢性硬膜下血腫の手術
永井 肇
1
Hajime NAGAI
1
1名古屋大学星川外科
pp.1756-1762
発行日 1967年12月20日
Published Date 1967/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204482
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はじめに
頭部外傷の増加と共に,最近では第一線病院で頭蓋内血腫に対する緊急手術が行なわれる機会が増加した.急性硬膜上血腫症例では,寸刻を争つて血腫除去が行なわれねばならないし,また慢性硬膜下血腫症例でも,突然pressure coneを起こしたようなときには,緊急に開頭手術を行なう必要がある.このような場合,救急病院に脳神経外科専門医が常時配置されていることが最も望ましい姿であるが,現状は一般外科医がなんとかして危機を脱するように処置せざるを得ない場合が多い.そこで本文では,このような場合を想定して,手術準備・麻酔・手術器具について簡単に紹介し,脳神経外科手術に特異的である止血法を中心にして,開頭術の大要について図説し,最後に術後の管理について簡単に述べることにする.もちろん手術手技以前の問題として,診断手技について十分な知識が必要であることはいうまでもないが,これらに関しては本文では一切省略する.
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