Japanese
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特集 イレウスの治療—その困難な問題点
救急手術を回避しようとする場合どうするか
How to treat the intestinal obstruction to keep away from the emergency operation
山本 俊介
1
,
伊東 敬之
1
,
岡林 義弘
1
Toshisuke YAMAMOTO
1
1三重県立大学医学部第1外科
pp.1380-1383
発行日 1967年10月20日
Published Date 1967/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204419
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はじめに
最近のイレウス治療成積は,診断,抗生剤の進歩,麻酔の発達,術前,術後の患者管理の向上などにより,いちじるしい進歩をとげている.しかしながらイレウスの診断なかでもその型の判定については古来幾多の報告があるが今だ一定するものはなくその都度当面の外科医の判断により手術,あるいは保存的療法を選ぶ場合が多い.
表題のいかにして救急手術を回避し得るかということは換言すればいかに手術を避け得る症例を選ぶかの一言につきる.イレウスをその病態生理の面より放置せる場合はまず腸壁血管の変化→細菌ならびに毒物の腸壁透過→腹腹炎,中毒→蠕動亢進,麻痺→腸管拡張,筋伸張→腸壁の静脈管塞閉→局所性血行停止→壊死と悪循環をくり返し,ついには死の転機をとる.たとえば単なる単純性イレウスで圧迫型,屈折型の場合においても同様放置すれば患者は重篤な結果になる.またすでに複雑性イレウスでしだいに腸管壁死に陥入りつつあるか,あるいは壊死がすでに成立しているような場合,これを回避しようとする試みはいたずらに患者の一般状態の悪化を促進せしめるのみであり無駄より有害な試みとなるであろう.すでに腹膜症状を呈している場合も同様である.四方はイレウスの簡易診断法としてIleus Indexをあげ1つの判定基準として取つた.
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