海外だより
Massachusetts General Hospitalにおける冷凍血液の現況
隅田 幸男
1
1東邦大学医学部第1外科
pp.398-399
発行日 1967年3月20日
Published Date 1967/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204262
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第13回日本輸血学会総会におけるCharles E. Hugginsの特別講演をきつかけとして,日本でも著者らが冷凍血液を臨床に使用しはじめて,はや1年たつた.著者は,この辺で一度Massachusetts General Hospitalにおける冷凍血液の使用と基礎的研究の現況を見てみたいと思つていたところ,ニューデリーにおける第5回世界心臓病学会の帰途,1966年11月17〜18日,MGHにHugginsを訪れる機会をえた.赤血球にグリセリンあるいはジメチルスルフォキサイドのような冷害防止剤を添加して−80℃下に冷凍すると数ヵ年の保存が可能である.しかも冷凍血液の輸血後には血清肝炎の発生が皆無であるということだけでも,Hugginsによつて臨床応用に導入されたこの研究の前途は,洋々たるものである.
MGHの冷凍血液部門は,White Building(写真中央)一階の血液銀行の一角にある.現在改築中なので四方板壁で区切つた小部屋からなり,特に名づけられているわけではないが,冷凍庫室,血球洗滌室,遠沈室,および2〜3の小研究室からなつている.
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