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肝臓の超音波断層写真による診断
尾本 良三
1
1東京大学医学部第2外科
pp.397
発行日 1967年3月20日
Published Date 1967/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204261
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肝臓という臓器は,その局所性病変の検出という点では,むしろ困難なものに属している.また,開腹して直接肝臓を触れてみても深部の病変までは,よく分らないというようなことも時には起こつてくる.このような点から,はやくより肝臓が超音波検査の良い適応として内外の多くの研究者達によつて,とりあげられてきた.もちろん,肝臓の局所性病変の診断法には,すでに,シンチグラムや肝血管,胆管などの各種造影法,また,腹腔鏡や肝生検などがあつて,それぞれ独自の診断的価値を発揮しているが,一方,この超音波検査法も,それらの診断法と相補うものとして,ルーチンの検査になりつつある,同時に,その病変検出能力の向上に対する実際上の要求も大きい.
最近仙台において開かれた,日本超音波医学会第10回研究発表会において,腹部,肝臓の超音波検査に関する報告が数多くなされ熱心に討論された.また,同じ学会において「超音波断層写真法」についてのシンポジウムがもたれた.筆者も,共同研究者室井とともに,このシンポジウムに,肝臓の超音波断層写真法をテーマに参加した.
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