トピックス
Massachusetts Poison Control System
坂本 秀生
1,2,3
1ハーバード大学医学部
2マサチューセッツ総合病院免疫病理学部門
3藤田保健衛生大学藤田記念生薬研究所
キーワード:
中毒情報
,
臨床検査技師
,
24時間対応
Keyword:
中毒情報
,
臨床検査技師
,
24時間対応
pp.806-807
発行日 1999年7月15日
Published Date 1999/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904130
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1998年度の重大事件の1つが和歌山県で起こった毒入りカレー事件であることは多くの人が認めるところである.それはその特異性だけでなく,その後の毒物の特定にかかわる過程において,あらためて問題を提起したのではないだろうか.
症状が起こった際,その中毒症状に適切に対応することは大切であり,物質の同定が行われている間にも刻々と患者の容態は変化し,一刻も早い処置が重要なことは間違いない.現在,筆者が滞在している米国マサチューセッツ州には,毒物薬物の中毒症状に対する,情報連絡網を州が管理しており,Massachusetts Poison Control System(MPCS)と呼ばれている.このシステムが機能して,患者に対する適切なアドバイスが行われ,また症状から推定を行い,病院において迅速な処置の一助になっている.1998年に発行されたMPCSのAnnual Statistical Reportを基にこのMPCSを紹介し,同定分野で活躍している臨床検査技師の役割も伝えたい.
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