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講座・2
臓器冷凍の理論と応用—Ⅱ.冷凍血液細胞の利用とその展望
Current problems of tissue banking in frozen state
隅田 幸男
1
Sajio SUMIDA
1
1国立福岡中央病院心臓血管外科
pp.1121-1131
発行日 1971年7月20日
Published Date 1971/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205402
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はじめに
放射能や火力がエネルギー伝播の強力な手段であるのと同じように,低温エネルギーも生物組織の保存と破壊のために使用される.破壊のために使用される低温に関してはcryosurgeryとして後で述べる.低温は破壊と保存というまつたく相反する作用を持つた,いわば両刃の剣なのである.
今回はおもに血液成分の冷凍保存について述べる.血液成分の中でも血球の冷凍保存は実用的な点でもつとも重要であり,基礎的研究材料としても臓器冷凍の謎を解く鍵ともなつている.細胞単位での冷凍理論の解明なくして臓器冷凍への発展はありえないからである.
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