切り取りカード 看護ミニ事典
冷凍血液(frozen blood)/HB抗原
隅田 幸男
1
1国立福岡中央病院第4外科冷凍血液センター
pp.1233-1234
発行日 1978年11月1日
Published Date 1978/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918550
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冷凍血液とは,血液を永点下に凍結して保存したのち,必要な時点で解凍して輸血できるように再生したものです.血液は血球と血漿から成り,それぞれの成分あるいは分画に分けて別々に凍結保存することになっています。一番よく使用されるのが冷凍赤血球で,正式の名称は解凍赤血球濃厚液といいます.普通,冷凍血液というのはこのことを意味しますが,広義には血小板,白血球,そして血漿分画ではクリオプレシピテート,フィブリノーゲン,アルブミン,その他を別別に凍結あるいは凍結乾燥したものまで冷凍血液の仲間に人ります.
さて,赤血球,血小板,白血球などの血液細胞はそのまま凍結させると破壊してしまうので,何らかの工夫が必要となります。凍害保護物質(グリセリンやヂメチルスルフォキサイド)の添加や,冷却と復温の条件調整がそれです.赤血球を-80℃(電気式超低温槽)に凍結保存するには,どうしても30-40%のグリセリン液に浮遊させなければなりません.-196℃(液体チッソの温度)に凍結する場合には15-20%のグリセリン液に浮遊するだけで十分です.-80℃の方を緩速凍結法,-196℃を急速凍結法といいます.
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