Japanese
English
論説
前斜角筋症候群
Scalenus anticus syndrome
大河原 重久
1
Shigehisa OGAWARA
1
1愛知県ガンセンター病院
pp.239-245
発行日 1967年2月20日
Published Date 1967/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204234
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
前斜角筋症候群は過度に緊張した前斜角筋,あるいは肥厚した前斜角筋と中斜角筋により,腕神経叢,および鎖骨下動脈が圧迫されて生ずる一群の症候群に対する一般名である.この他に,同じ圧迫症候群に第7頸椎を主とする下部頸椎横突起の異常延長により生ずる,頸肋骨症候群,および鎖骨と第1肋骨との間隙狭小により圧迫症候群を示す肋鎖症候群がある.これらいわゆるThoracic inletの左右非対称性が存すること多く,この非対称性は頸肋骨に非対称の荷重を加えて発症させ,また肋骨鎖骨間隙の異常狭小を,片側にさらに増加させて発症したり,また脊椎に異常廻転を与えて斜角筋群に異常緊張を生じさせて,前斜角筋症候群を発生する大きな因子となる.このように,これらの症候群は互いに深い因果関係を有していると考えられる.
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.