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塞栓によるsubclavian steal症状,他
pp.1574-1577
発行日 1966年11月20日
Published Date 1966/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204154
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subclavian steal syndrome(SSS)は鎖骨下動脈(無名動脈)が椎骨動脈起始部よりproximalで閉塞ないし狭塞したときにおこるので,1側椎骨動脈血が同側鎖骨下動脈へ下行性に流れる症状である(Contorni, L:Nea-rology 12:698, 1960)が,Reivich(N. Engl. J. M. 265:878, 1961)がレ線学的に明確にした.SSSという呼称もこのさい,N. Engl. J. MedのEditorialで附けられたものである.1962年までに13例のSSSが報ぜられたが,以来,その報告は甚だ多い,その大多数は粥状硬化症が主なる原因になつている.Blalock-Taussig手術の結果という1例があるが,塞栓にもとついたというのはGorman(Arch. Surg. 88:350, 1964)1例あり.高安病にもとつくという報告はない.Dardik(Ann. Surg. 164:171, 1966)は60歳家婦,左上肢痛で来院,3年来右半身不随あり,僧帽弁不全による脳梗塞と考えられていた.大動脈造影で左鎖骨下動脈完全閉塞(塞栓)SSS像をたしかめたが,poor riskで僧帽弁手術せず,抗凝固剤と血管拡張剤で症状を軽快した.
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