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γ—glによる輸血肝炎予防,他
pp.1272-1275
発行日 1966年9月20日
Published Date 1966/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204094
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Grossman (JAMA 129:991,1945)が始めて予防的にγ—glを用いたが,その効果についてはNat.Res.Council(1965)の報告でもはなはだ不定である.Holland(JAMA196:471,1966)は1963年10月〜1965年1月の間の開心術施行患者のうち,少なくとも術後6カ月以上生存しfollow upしえた167名について,γ—glを与えた84名と,与えない83名とを比較して,有黄疸輸血肝炎発生をうかがつた.老人で後天的心疾患は輸血黄疸になりやすい(Rubinson,R.M.:J.Thor.Card.Surg.50:575,1965)といわれるから,先天的心疾患児,先天的心疾患成人,後天的心疾患成人をそれぞれ別に取扱つている.167名中から黄疸18名発生,うち確実17(10.2%).γ—gl投与84名中から11名(13.1%),非投与83名では6名(7.2%).γ—gl群平均33.1±1.7歳,非γ—gl群29.6±1.9歳.輸血量,血液供給源は両群に差なし.有黄疸肝炎の重症度も両群に差なし.潜伏期はγ—gl群53日,非γ—gl群51日で差なし.黄疸を呈したものは平均40.6歳輸血量29.1unitsで,年齢が進み,かつ大量を輸血されたものに黄疸が出やすいと言いうる.そうしたものにはγ—glの予防効果は認められない.
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