トピック
熱傷にγグロブリン,他
pp.542-543
発行日 1963年4月20日
Published Date 1963/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203068
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熱傷は依然として最も厄介な問題である.ことに感染は重要な死因になつている.レンサ球菌はよくコントロールされ,抵抗性ブドウ球菌にもmethicillinその他の合成新ペニシリンが登場し有効になつたが,大腸菌簇・プロテウス・ピオチアネウスなどのグラム陰性菌は依然としてコントロールがむずかしい.そこで,そうした抗生物質にのみ頼る方法でなく,別の治療法が考案されてきた.たとえば,ピオチアネウス感染なら,その菌は毒力が高くないから,個体の防禦能ということがより重要になる(Annotations:Lancet2:1210,1962).しかし,個体が免疫学的に低下するかというと,熱傷者でそれが確かに証明されているわけではない.properdinが低下するという成績はあるが,凝集素は発生しているという(Lowbury,E.:J.Hyg.Camb.55:266,1957).熱傷患者血清のγグロブリンはむしろ高い.しかし,早期に感染を防ぐほどには早く上昇しないらしい.Kef-alidesらは熱傷児のアルブミン,血漿,電解質,γグロブリン療法を比較した(New Engl.J.Med.267:317,1962).γグロブリンは他の抗生物質よりも,早期感染防止により有効であるという.
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