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インターフェロンγ遊離測定法についての最近1年間の全般的な話題
結核感染の診断はツベルクリン反応(ツ反)に替わって,インターフェロンγ(IFN-γ)遊離測定法(Interferon-Gamma Release Assay;IGRA)が行われている.IGRAは特異的抗原刺激に対するリンパ球のIFN-γ産生能を測定することによって結核感染の診断を行う方法であり,BCG接種の影響を受けず,感度,特異度ともに優れた診断法である.現在,わが国で用いられているIGRAはQuantiFERON®-TB Gold(第3世代:QFT-3G)とT-SPOT®.TB(T-SPOT)である.日本結核病学会は,接触者健診にはツ反ではなくIGRAを用いることを推奨している1).
QFT-3Gは全血を用いる検査法であり,採血管のなかに既にESAT-6,CFP-10,TB7.7の3種類の刺激抗原が含まれており,採血後ただちに抗原刺激が始まる.産生されたIFN-γをELISA法で測定する.全血を用いるためリンパ球数が低下しているような免疫不全状態では感度が低下する可能性がある.T-SPOTではヘパリン採血した血液を用い,32時間以内に検査を開始すればよい.末梢血単核球を洗浄し細胞数をそろえ,ESAT-6およびCFP-10を添加して培養する.ELISPOT法(Enzyme-Linked ImmunoSpot)によりIFN-γ産生細胞の存在した場所をスポットとして可視化し,その個数を計測し結核感染を診断する.T-SPOTは細胞数をそろえるので細胞数の多寡によって結果が変動しない利点がある.免疫機能低下患者でも免疫正常者と同様の感度を示すという報告が多い.
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