MEDICAL Notes
輸血後の無黄疸肝炎,他
pp.252-253
発行日 1965年2月20日
Published Date 1965/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407203548
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Grady (Gastroent.46:306, 1964)の9大病院の大集計で1万u.輸血をうけたものの肝炎発生は6例であつたという.この低率は供血源が重要な原因をなしている.Mirick(Vox Sang.7:125, 1962)は1万u輸血につき200例の肝炎を見出したという.日本では清水,北本(Gastroent.44:740, 1963)は1万u輸血につき600例の肝炎を見出している(GOT, GPT上昇.その1/6が黄疸発生).Allen (J.A.M.A.680:1079, 1962)の調査では,平均3.4uの輸血をうけたものの3%が肝炎になるという.Hampers (New Engl.J.Med.271:747, 1964)は輸血をうけた56例の患者を20,40, 50, 80日という具合に半年間,GOT, GPT, ICDをfollow-upし,1万uの血液につき870例(56例中10例)という高率の肝炎を見出した.これは北本の成績を上回る高頻度である.HampersらのPhiladelphiaGeneral Hospital 4年間の黄疸発生の肝炎は1万uの血液につきわずか5例であつたから,してみると,有黄疸肝炎1例につき,無黄疸肝炎100例以上存在する見込みということになる.
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